宮沢賢治資料

NHK朝ドラ「ごちそうさま」最終週

NHK朝ドラ「ごちそうさま」最終週で高校野球がGHQの民間情報教育局の横槍で中止になるというエピソードが紹介されました。民間情報教育局 CIE(Civil Information and Educational Section)は、宮沢賢治関連でも燦然たるエピソードを残しています。 石森延…

イーハトーブ幻想曲~宮沢賢治・音楽への旅~

NHKアーカイブス 4月10日放送 「イーハトーブ幻想曲」は1992年の作品。わたしの中に、賢治へのひとかけらの関心もなかった頃のドキュメンタリー作品です。モチーフは音楽です。 本日、震災を受けてこの作品を再放送することのテーマは“風土”なのだろうと思い…

烏瓜の燈火(あがし)

夏、あんなにも咲きほこっていた烏瓜の花なのに、色づいた烏瓜の実のほうは、いっこうに、探しあてられないでいました。ただし、直径1センチメートルほどの小さな青い実が連なっているのが藪の中にあるのは見かけていました。 今朝、まだうすく暗さがのこる…

烏瓜の実

もう、烏瓜の青い実が成っていました。大きさはほぼ4cmと、秋に赤くなるで あろう烏瓜の実のサイズです。ただ、烏瓜の花の方も、まだ盛りをすぎていませ ん。むしろ、烏瓜の青い実は、烏瓜の青い葉に隠れて見えません。特に烏瓜の花 が開花する午後7時頃…

烏瓜のあかり

つい先ほど、烏瓜の花を撮影することができました。場所は横浜市青葉区です。

竹内薫・原田章夫「宮沢賢治・時空の旅人」日経サイエンス社 96年3月

この本を読まなかったら、「二枚貝説」が生まれることはありませんでした。この本による主な発見は以下の三点です。 ・ 双子の星を、“ペルセウス座散開星団のエイチ(h)とカイ(chi)”であると特定、ポウセは英語表記の“h & chi Perusei”からきており、チュンセ…

織田正吉 「古今和歌集」の謎を解く 講談社選書メチエ 2000年9月

柿本人麻呂を論ずるとき、人麻呂が正三位であったという論拠が紀貫之による古今和歌集の仮名序のつぎの部分になります。 おほきみつのくらゐかきのもとの人まろ 織田氏は、まず、仮名序の人麻呂に関するいくつかの矛盾点に注目し、さらに、藤原定家による改…

未発表賢治詩発見

日経新聞夕刊(4月8日)に載っていました。とても技巧的な作品だと感じます。また、本日は、「やまなし」発表記念日でもあります。 前半は、現在が現実で過去を幻想しています。後半は、現在が現実で未来を幻想しています。過去と未来は激しいエネルギーに満…

天文年間 2005年度版 誠文堂新光社

8月の空のページに七夕の七月七日と上弦の月との関連が指摘されています。上弦の月は上半分が黒で下半分が白のかささぎの特徴と一致します。旧暦七月七日の天の川を横切って飛翔するかささぎとは、月の化身のことだったのです。 「かささぎですねえ。頭の後…

俵万智 りんごの涙 文芸春秋 1989年11月

「りんごの涙」という題名にひかれて購入したのですが、偶然、あの有名なサラダ記念日の七月六日というのが、旧暦の七月六日だったことを知りました。あわせて、“文月の六日”が“七月六日”なのだということも知りました。 ちょうど、「銀河鉄道の夜」の“かさ…

織田正吉 絢爛たる暗号 百人一首の謎を解く 集英社文庫 1986年12月

この文庫本を手にとったのは、和歌とかささぎの橋への興味からです。しかし、読み進むにつれて、和歌というのは、ありとあらゆる言語技法を駆使した言葉の芸術なのだということがわかってきました。織田氏が、百人一首という作品を縦横にさまざまな技法のフ…

牧野立雄 隠された恋 れんが書房新社 1990年6月

コスモスの君と呼ばれたひとがいたそうです。ただ一度だけ、としを見舞った日本女子大でのとしの後輩。そのひとを見いだしたのが牧野氏です。口絵にそのひとの写真も載っています。 大正十一年七月に下根子桜に移されたとしの元まで、賢治が豊沢町からそのひ…

小沢俊郎「アルビヨンの夢と修羅の渚」四次元61年4月

同じく「川しろじろとまじはりて」国文学75年4月 (所収 小沢俊郎「宮沢賢治論集3」有精堂1987年8月) イギリス海岸は、作品「イギリス海岸」の化石発掘のエピソードを通してプリオシン海岸との関連をもちます。しかし、一方で、イギリス海岸は“修羅のなぎ…

照井謹二郎 追憶ふくろふ 1946年

初出 『農民芸術』第一輯 1946年5月 所収 宮澤賢治研究資料集成 第2巻 「二十六夜」誕生エピソードのもうひとつです。このエピソードを見つけたのは最近です。二枚貝説もほぼまとまって、「二十六夜」の成立時期をより裏づけるための資料が、先の資料の他に…

照井謹二郎 童話「二十六夜」が創られるまでに

所収:照井謹二郎「宮澤賢治先生にちなんで」花巻賢治子供の会 1998年5月 クラムボン=二枚貝としたとき、「やまなし」が「二十六夜」をデフォルメしたような話であるということに気が付きましたが、その頃、二つの作品のどちらが先に成立したのかが判然とし…

入沢康夫 宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の原稿のすべて 宮沢賢治記念館 1997年3月

この本は「銀河鉄道の夜」の全生原稿をカラー写真で製版したものです。原稿裏になんらかの記載がある原稿の写真も掲載されています。「銀河鉄道の夜」により深く踏み込みたいと考えている賢治フリークには必携の一冊です。値段もべらぼうではありません。わ…

石森延男 「麦三合」の思い出 1958年7月

初出 「宮沢賢治全集」月報第一号、昭和33年7月 筑摩書房 所収 宮沢賢治研究資料集成 第十二巻 誤謬と主張して字句を直すのとちょうど反対の行いをしてしまった方がいます。「雨ニモマケズ」の“一日ニ玄米四合ト”を“一日ニ玄米三合ト”に修正し中学教科書に載…

嵐山光三郎「古本買い 十八番勝負」集英社新書2005年6月

この本は99.8%宮澤賢治フリークには無関係な本です。しかし、p143の左半分のみは読むに値すると思います。その部分とは嵐山氏が小倉豊文『宮沢賢治「雨ニモマケズ手帳」研究』を拾い読みした部分で、次のように記しています。 私は、ヒドリは東北地方でいう…

雑誌Newton 2008年12月

巻末の星空の不思議Q&Aというコーナーに、二十六夜がらみで「三体月」という伝承が紹介されています。月の模様が三体の祭神に見えるとか、一種の蜃気楼現象だとか。 ただ、なにしろ富山の蜃気楼よりもめずらしい現象なので目撃者も少なく、 科学的分析に耐…