2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

天文年間 2005年度版 誠文堂新光社

8月の空のページに七夕の七月七日と上弦の月との関連が指摘されています。上弦の月は上半分が黒で下半分が白のかささぎの特徴と一致します。旧暦七月七日の天の川を横切って飛翔するかささぎとは、月の化身のことだったのです。 「かささぎですねえ。頭の後…

俵万智 りんごの涙 文芸春秋 1989年11月

「りんごの涙」という題名にひかれて購入したのですが、偶然、あの有名なサラダ記念日の七月六日というのが、旧暦の七月六日だったことを知りました。あわせて、“文月の六日”が“七月六日”なのだということも知りました。 ちょうど、「銀河鉄道の夜」の“かさ…

織田正吉 絢爛たる暗号 百人一首の謎を解く 集英社文庫 1986年12月

この文庫本を手にとったのは、和歌とかささぎの橋への興味からです。しかし、読み進むにつれて、和歌というのは、ありとあらゆる言語技法を駆使した言葉の芸術なのだということがわかってきました。織田氏が、百人一首という作品を縦横にさまざまな技法のフ…

牧野立雄 隠された恋 れんが書房新社 1990年6月

コスモスの君と呼ばれたひとがいたそうです。ただ一度だけ、としを見舞った日本女子大でのとしの後輩。そのひとを見いだしたのが牧野氏です。口絵にそのひとの写真も載っています。 大正十一年七月に下根子桜に移されたとしの元まで、賢治が豊沢町からそのひ…

小沢俊郎「アルビヨンの夢と修羅の渚」四次元61年4月

同じく「川しろじろとまじはりて」国文学75年4月 (所収 小沢俊郎「宮沢賢治論集3」有精堂1987年8月) イギリス海岸は、作品「イギリス海岸」の化石発掘のエピソードを通してプリオシン海岸との関連をもちます。しかし、一方で、イギリス海岸は“修羅のなぎ…