2008-10-05から1日間の記事一覧

賢治はいつジョバンニに恋をさせたのか

かほるが第0次稿から存在していたと仮定します。すでにジョバンニとの関係も第1次稿のように描かれていて、としがそれを読んでいたとするならば、としにとって、かほるという存在はどのように映ったでしょうか。 かほる:物語の中でジョバンニが恋情を抱く…

ジョバンニの恋

第1次稿から第4次稿まで、かほるに関し、一貫して変わらない記述があります。 美しく頬をかがやかせて 「・・・ まあ、きれいなそら」 わたしは、この部分は、単なる形容であるとするよりも、抒情と解すべきと考えます。 森鴎外は作品「大塩平八郎」の叙事に…

「銀河鉄道の夜」の成立時期

「銀河鉄道の夜」の第1次稿の構成は独特です。前半がなく後半のみです。なぜ、前半が断片すらないのでしょうか。「銀河鉄道の夜」は、第1次稿から第4次稿まで現存しており、第2次稿以降は、それ以前の原稿の書き直し分、差し替え分とされています。なら…

「二十六夜」と「やまなし」の成立時期について

「二十六夜」の成立時期 作品「二十六夜」については、照井謹二郎氏の獅子鼻のフクロウのエピソードと、夏休み中の二十六夜が大正11年8月18日(金)が旧暦6月26日であったことから、大正11年8月下旬としてよいと思われます。 農場実習が終わった後で、小…