病院のチカラ~星空ホスピタル~ 第3話

やたらと正論を言いまくった栗原でした。

杏子と岸田には余計なお世話と煙たがられるが、栗原は言わずにいられないのでしょう。正しいことをしているという確信、間違ってはいないという確信が、栗原を支えているように感じます。

正しいことをしていないのではないか、間違ったことをしているのではないかという自問が、常に栗原の中にある。それが、冒頭の妹の夢をみてうなされるというシーンの意味。

栗原は、自分は医者には向いていない。医者をしているのは正しいことではない。きっと間違っている。という意識に苛まれている、常に。だから、ことさら正論を振りかざさざるをえない。そうでなければ自分の今を正当化できない。

栗原「小さな女の子がいるんです」

なんか小出しでイラッときますが、まあ、<ゆりちゃん>の秘密はドラマの縦糸ですから、しょうがないです。

杏子の内出血と、吐血した岸田の受け入れ拒否。翌朝のシーンで、橋と窓ごしの院長がでてきます。途切れた橋、鉄格子のような窓の桟は罪びとを表す演出であることがあります。だから、岸田が死んだのかと思ってしまいました。

でも、違いました。橋と窓の桟が岸田に向かう演出でないのであれば、演出の意味は院長に向かいます。途切れる橋は院長自身、同時に、罪びとも院長自身。院長の命はもう長くは無いのでしょう。


では、罪とは何か。栗原に後事を託すことなんだと思います。だからこそ、無理な理屈で栗原を往診に連れ出しているんだと思います。そして、そのこと、院長が長くは無いことと院長が栗原に後を託そうとしていることは、看護師長も知っての上のことなのでしょう。

栗原の医師であることへの葛藤、逢えない小さな女の子の存在。居場所があるということは背負うものがあるということだという定義は前回のテーマです。

院長は、このうえ栗原にさらなる重荷を背負わせようとしている。それが<罪>だと演出が言っているのだと思います。