野ブタ。をプロデュース -第7話-

あきらめる、あきらめないがテーマではありません。今回のテーマは“告白”です。


壁に貼られた「勝手に設定を変えるのは禁止」これ、大ヒント(笑)。誰が誰の設定を変えるのか。“信子”が“修二”の設定を変えた、というのが答えです。


作品のテーマは「私の好きなもの」。つまり、撮影者たる修二の好きなもの。作品に写っていたのは、

  デルフィーヌ、先生達、まり子、信子▲彰、{修二、彰、信子}、フライ3個。

彰が編集済みテープを捨てようとしていたタイミングで“▲彰”が編集されているはずがありません。なのに作品には写っていました。これは、▲の前後で"設定が変わっている”ということを意味します。

誰がこの作品を編集したかというと“信子”です。ですから、▲の前は修二が好きなものが、▲の後は信子が好きなものが、編集されていることになります。

▲の間に起こった出来事というと、遠まわしではありましたけど、彰から信子への“告白”でした。すくなくとも信子はそうとらえていました。信子は、彰の告白後のタイミングで“彰”以降を編集したことになります。

つまり、遠まわしに彰から好きと告白された信子は、グーをくれたにもかかわらず、遠まわしに“彰を好き”と作品上で答えたという意味です。そして、三人でいることも好きだと添えた。さらに、三人で食べたフライも好きだと・・・よっぽど、うまかったらしい^^)。


休日の学校。ノブタ~っ好きだ~って繰り返しているうちに、気持ちよくなったのか、彰の気持ちもまたまた変わってしまったみたいです。「お嫁においで」を歌いだしたのがその証拠。ただ、編集テープまでは直せませんでした。傷ついた彰の気持ちまでは治せなかったという意味です。正義の味方アンパンマンのはずが・・・です。そして、ジャムおじさんも役にたちませんでした。


苦しいと言ったまり子。言われた修二も苦しい。つい、まり子のことは好きにはならないと告白し、まり子を泣かせてしまう。

でも、修二はまり子も作品に撮っています。修二は間違いなくまり子のことが好きなんです。修二自身が気付いていないだけ。あんなに気持ちが可愛いい娘を好きじゃないわけがありません。問題は、同時に修二が信子のことも好きだということ。ノブタパワーが好きってことじゃありません。

今回、もっと大問題が発生しました。信子が思わず修二を抱きしめて「誰も嫌いになんかならない」と言ってしまう。“誰も”ってまり子や他の人のことではありません。信子のことです。

信子も修二を嫌いにならない。裏を返せば、信子は修二が好き、という意味です。信子は彰が好きだということは自覚していました。彰の告白の翌日、即座に彰の姿を作品に編集して“告白”しています。でも、信子自身、修二が好き、という気持ちにまでは気づいていなかった。そして、その気持ちに“告白”してから気付いてしまったことになるのです。


第7話にして、ようやく、恋愛関係がはっきりしました。一直線です(笑)。下図で、<==または==>の記号は告白済みを現します。<--と-->の記号は、気付いていないか、暗に告白済みをあらわしています。

  まり子<--好き==>修二<==好き-->信子<==好き-->彰

同時に二人の相手を好きになる修二と信子。「野ブタ。をプロデュース」ってラブ・ストーリーだったのですね(笑い)



さて、犯人です

放送部員ではありえません。すなわち、蒼井さんではありえません。蒼井さんが犯人なら、マスターテープごと破壊したはずです。犯人は編集済みテープだけを破壊していました。彰も編集済みテープを修理しようとしていました。どちらも映像作品の制作に関してはど素人ということです。信子が涙ぐんでいたのは、犯人のしつような悪意にショックを受けたからでしょう。

信子たち三人がコンクールの作品を撮っていることは学校中が知っていました。もし、放送部員たちが同じテーマで作品を作っていたならば、「わたしの好きなもの」とラベルしたテープが数本あったことでしょう。でも、「わたしの好きなもの」とラベルしたテープは1本しかありませんでした。そしてテープ棚の前にはコンクールのパンフレットが置かれていました。テープの所在の当たりをつけるには十分です。

犯人は作品の完成を小耳にし、作品のタイトルを聞き出した。そして犯行に及んだ。犯人は虎視眈々と仕掛けるタイミングを狙い情報収集していたにちがいありません。なぜ?

動機は簡単です。彰の行動が犯人の動機を示しています。せっかく修二が自分たちの元へ帰ってきたと喜んだのもつかの間、また、信子とつるんで何かやりだしたからです。

ふたたび、信子に修二をとられてしまった人物。そして修二のことが好きでたまらない人物です。いぜん、人物像も犯行動機も変わっていません。

すなわち、犯人は井上美咲です。