野ブタ。をプロデュース -コウモリとは-

修二を暗示するコウモリ。説話では鳥でもない動物でもない存在です。彰と信子が刈ってかえる自転車のシーン、ススキが羽のようでした。このドラマにはコウモリのほかに、鳥と動物とがいるのかもしれません。(虫もいそうですけど)探してみましょう。

彰、階段を上り下りする際、つねに羽ばたく。好んで飲むのは豆乳で牛乳(動物の乳)ではない。さらに屋上が好みの場所のよう。

教頭、焼却所の屋根から教頭が登場した際、信子が「カラス天狗みたい」と評します。また、なにかにつけ信子にやさしい。

ゴーヨク堂の主人、書いた本の表紙に羽の絵。忌野さんの「ウィ」に笑い転げましたが、ドラマとしての意味は表紙絵にあったようです。ゴーヨク堂の主人が鳥ならば、信子をかくまう動機も納得です。

上原まり子、ゴーヨク堂で唯一立ち読みできていた女性。上原まり子も鳥で修二が鳥だと思い違いをしているのかも、といういうことです。修二がまり子のことを彼女じゃないと言うのも、まり子がコウモリでないからでしょうか。まり子、悲恋の予感です。

トーフ屋主人、いまのところ、豆腐をつくっていることと、風邪をひくとと“ハネ”が“ハゲ”という発音になるくらいです。

まとめると下の図式になります。

鳥         コウモリ     動物(虫を含む)
--------  -------  ---------
信子        担任       その他
彰         セバスチャン
まり子       修二(微妙^^)
ゴーヨク堂主人
教頭
トーフ屋主人

(注)担任とセバスチャンは、修二を引き入れたことといい生徒達のいいなりになっている姿から、コウモリと分類すべきかと思います。

ただし、修二も鳥のように朝に夕にマンションの一番高いところにいます。教頭が信子に、修二をまっとうな人間にしろというセリフがありました。実は修二がコウモリではなく鳥なのではないのか。つまり、たとえるなら、みにくいコウモリの子(笑)で、実は修二は鳥なのかも。


コウモリには、もうひとつ“アウトサイダー”というメタファがあります。集団(会社)の中の人間がインサイダーで、どちらの集団(会社)にも属さない人間がアウトサイダー。修二が彰に「立ち入りすぎだぞ」というセリフがありました。インサイダーは利害を共有しているから立ち入りすぎるくらいでよいのです。アウトサイダーがインサイダーに立ち入らないのは、いろいろと利害や権限の絡みでフォローが出来なかったり面倒だからです。・・・やはり修二はコウモリなのでしょうか。


余談ですが、コウモリはドラキュラの使い魔です。彰は社ッ長さんになって修二のような連中(企画を出す人間)をコキ使ってますます金持ちになるのかも。